日本発の体外診断用医薬品
独立行政法人国立がん研究センターとG&Gサイエンス株式会社は、切除不能進行・再発大腸がんにおける抗EGFR抗体薬の新たなコンパニオン診断薬の開発に成功したと発表した。
この診断薬は、大腸がんの複数のRAS遺伝子変異を同時検出するというもの。日本発の体外診断用医薬品の開発に成功したことになるという。
世界に先駆けて開発に着手
昨今、「個別化医療」の重要性が認識されつつある。がんの分子標的治療においても、治療効果や副作用を予測する各種バイオマーカーによる治療効果の最大化と副作用の最小化が期待されている。
しかし、大腸がんに対する抗EGFR抗体薬の治療効果予測においては、「RAS遺伝子変異のある患者には抗EGFR抗体薬を投与すべきでない」ことが知られていたものの、日常臨床でこれらのRAS遺伝子変異を測定できる体外診断薬はなかった。
この状況を受け、国立がん研究センターとG&Gサイエンスは、世界に先駆けてRAS遺伝子変異を検出する診断キットの開発に着手した。
抗EGFR抗体薬の費用を削減
現在、国内外で切除不能進行・再発大腸がんに対して使用可能な抗EGFR抗体薬には、セツキシマブとパニツムマブの2剤がある。いずれも、他の分子標的薬と同様に高額だ。
今回開発されたRAS遺伝子検査の導入により、RAS遺伝子変異型の患者に対する抗EGFR抗体薬の費用を削減することができると、国立がん研究センターとG&Gサイエンスはしている。
(画像はプレスリリースより)

大腸がんの複数のRAS遺伝子変異を同時検出する日本発の体外診断用医薬品の開発に成功 - 独立行政法人国立がん研究センター
http://www.ncc.go.jp/jp/information/