学会発表告知
丸善製薬株式会社は2015年3月26日(木) から3月28日(土)、岐阜県で開催される第88回日本細菌学会総会において、鹿児島大学大学院との共同研究成果を発表する。
演題は「甘草由来グリチルレチン酸誘導物質の黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性の検討」で、3月27日(金)10:30~3月28日(土)11:15にポスター掲示し、討論時間は3月28日(土)11:15~12:15。
甘草は、地中海地方、小アジア、ロシア南部、中央アジア、中国北部、北アメリカなどに自生するマメ科の多年草で、薬用植物であり、根を乾燥させ生薬として用いられている。
グリチルリチンは甘草由来の甘味成分として甘味料に使われ、欧米では甘草は健康的な食品添加物と認識されている。
肝機能障害、アレルギーに有効であるとされ、内服薬あるいは輸液に製剤化されており、グリチルリチンを加水分解して得たグリチルレチンは、消炎作用から目薬としても用いられている。
抗菌作用を増強
この研究では、甘草由来グリチルレチン酸誘導物質に抗菌性が確認され、アミノグリコシド系の抗生物質と併用することで、抗生物質の抗菌作用を増強し、細菌の増殖を抑制するために必要な抗生物質の量を減少させることも分かった。
黄色ブドウ球菌は皮膚や鼻腔などの常在細菌のひとつで、とびひ等の皮膚疾患やアトピー性皮膚炎を悪化させる原因となり、薬剤耐性能を獲得しやすいという特性も持っている。
これに対して、甘草から抽出・精製されるグリチルリチン酸のアグリコンであるグリチルレチン酸に、この細菌に対する抗菌作用があることで知られていたが、グリチルレチン酸から合成される誘導体の抗菌作用については、これまで報告がなかった。
今回、グリチルレチン酸誘導体についても抗菌性が評価され、結果、3-サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウムにグリチルレチン酸と同等以上の増殖抑制作用が確認された。

丸善製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.maruzenpcy.co.jp/news/150223.html