生活習慣見直しから治療へ
ダブついたおなかを何とかしなければと、体を動かす人は性別、年齢、国籍を問わず、通販番組では常に、ダイエット関連の商品がスポットライトを浴びている昨今。これが、薬を使った治療へとシフトしそうだ。
アメリカでは、ここ2年間で新薬が相次ぎ、薬で肥満を治療するためのガイドラインが登場。アメリカの内分泌学会が、肥満学会と共同で「ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(JCEM)」誌のオンライン版で1月15日に公表した。
抗うつ薬などとの併用は注意
ガイドラインでは、主な方針として「3カ月間で5%以上の減量ができた場合は薬を継続」「薬の効果がない、または副作用がある場合には使用を中止して、ほかの薬や別のアプローチを検討」を提示。
さらに「一部の抗糖尿病薬は体重増加と関連しているため一緒に使うのは慎重に」「2型糖尿病で肥満でもある場合には、体重増加に寄与する可能性が低い特定タイプの薬剤を第1選択治療薬として使用」としている。
体重に影響を及ぼす可能性のある抗うつ薬、抗精神障害薬、てんかん治療薬のような薬剤との併用についても慎重を期すように指摘している。
肥満を脱するためにはこれまで、生活習慣を改め、食事に気をつけ、運動をするのが主流だった。学会では「生活様式の改善プログラムに薬物治療を加えると、大幅な減量が実現できる可能性が高くなる」とした。
アメリカでは、「ロルカセリン」と、2薬を組み合わせた「フェンテルミン/トピラマート」「ナルトレキソン/ブプロピオン」「リラグルチド」といった肥満治療薬が登場。日本でも肥満治療薬の承認申請の動きが進んでいる。
(画像はイメージです)

JCEM オンライン版
http://www.endocrine.org/news-room/