膀胱がんに引き続き非小細胞肺がんにおいても
2015年2月2日、中外製薬株式会社がアライアンスを締結しているロシュ社は、同社が開発中の免疫チェックポイント阻害剤「MPDL3280A」が、米国食品医薬品局(FDA)より非小細胞肺がんにおいてBreakthrough Therapyの指定を受けたことを明らかにした。
今回の指定は2014年における転移性膀胱がんに続くものだ。これにより同剤は、白金製剤ベースの化学療法を施行中、または施行後に病勢が進行したPD-L1陽性の非小細胞肺がん患者、さらにEGFR遺伝子変異陽性またはALK陽性肺がんに対しては、適切な分子標的療法が施行された患者への投与が指定されることとなった。
PD-L1を阻害するよう設計されたモノクローナル抗体
「MPDL3280A」(抗PDL1抗体/RG7446)は、PD-L1と呼ばれるタンパク質を阻害するように設計されたモノクローナル抗体だ。同剤のPD-L1阻害により、T細胞が活性化され、腫瘍細胞を効率的に検出し攻撃する能力を取り戻すことが可能となる。
肺がんは世界中でがんによる死亡原因の第1位。肺がん領域はロシュ社が注力し資源を投入している主要な領域となっており、現在、特定の種類の肺がんに対する3つの治療薬、さらに最も一般的なドライバー遺伝子を標的とした薬剤や、免疫システムを増強することで治療する薬剤を10種類以上開発している。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
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