表在性病変を有する固形がんが対象
タカラバイオ株式会社は、腫瘍溶解性ウイルスHF10(開発コード:TBI-1401【HF-10】)によるがん治療の第1相臨床試験を日本国内で実施するために1月21日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に再生医療等製品としての治験計画届を提出したことを発表した。
同試験では、表在性病変を有する固形がん患者(悪性黒色腫、皮膚の扁平上皮癌等)を対象にHF10を反復投与した場合の安全性や腫瘍縮小効果などについて評価を行うという。国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科にて実施され、試験期間は平成27年4月から平成28年3月の予定。
平成30年度に商業化を目指す
同社は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(改正薬事法)において再生医療等製品に適用される制度(条件及び期限付承認制度)などを活用することで、HF10の早期承認を目指し、日本国内で平成30年度に商業化することを目標とする。
なお、米国においてHF10の悪性黒色腫を対象とした第2相臨床試験を実施中であり、米国においても平成30年度に商業化することを目標にしている。
HF10
HF10は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示す。このようなウイルスは腫瘍溶解性ウイルス(oncolytic virus)と呼ばれる。正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内において特異的に増殖する作用があるウイルス(制限増殖型ウイルス)だ。

タカラバイオ株式会社ニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=1769