遺伝子治療技術を応用
アンジェスMG株式会社(以下、アンジェスMG)は、遺伝子治療技術を応用したエボラ出血熱抗血清製剤の開発を国内で開発すると発表した。
抗血清製剤は病原体の増殖を阻害する抗体(中和抗体)を有効成分とし、すでにウィルスに感染している患者の病態が重篤化することを阻止するものである。動物に病原体や毒素を投与してから、血清を精製し、そこから得られる抗体を含む成分を患者に対し投与することで、免疫を持たない患者に対し、病態の重篤化への阻止につながる。
必要なDNAワクチンはVical社が製造
今回同社が開発を予定している抗血清製剤は、ウマにエボラ出血熱ウィルスのタンパク質をコードするDNAワクチンを接種することで、得ることが出来るウィルスタンパク質に対する抗体を精製して作られるものだ。
DNAワクチン技術を利用することによって、病原ウィルスそのものを取り扱わないことで、安全でかつ短期間で製造が可能となる。そのため、緊急で対策が必要とされるエボラ出血熱の治療薬として適していると考えられる。
同社では、この抗血清製剤の開発に関し、DNAワクチン技術を保有する米国のVical社と国内における独占的開発販売権を取得するための契約を締結している。この抗血清製剤の開発に必要なDNAワクチンはVical社が製造し、アンジェスMGは抗血清製剤の実現のために、まずは、予備的な試験に着手する予定だ。
アンジェスMGは、抗血清製剤はすでに他のウィルスの治療薬として実績があり、回復したエボラ出血熱患者の血清の投与がエボラ出血熱の治療のために実験的な投与が行われていることからも治療薬としての可能性があると考えられる。まずは予備的な試験を開始し、その後の開発計画については詳細が決まり次第公表するとコメントしている。

アンジェスMG株式会社 ニュースリリース
http://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf=100785.pdf