重篤になりやすい
ひどい場合には命に関わるケースにも発展する食物アレルギー。中でも、ピーナッツアレルギーは、気管支喘息発作などの 呼吸器症状や腹痛、吐き気、下痢などの消化器・循環器症状も起こしやすく、重篤になりやすいと言われている。
こうした状況下、仏バイオ医薬品企業「DBVテクノロジーズ」がピーナッツアレルギー治療の貼り薬「Viaskin Peanut」の開発を進めており、初期試験で前向きな結果が得られているという。このため、ピーナッツアレルギーの治療薬として、初めて認可される薬になるかもしれないと、注目を集めている。
米で年間100人近く死亡
ピーナッツはアレルギー原因食物全体の中で第4位の4.8%を占めている。海外では、アナフィラキシー・ショックによる死亡原因の大半がピーナッツやナッツ類によるもので、米国では年間100人近くが命を落としていると報告されている。
DBVのパッチは他の実験的な経口治療薬と異なり、少量のピーナッツタンパク質を免疫システムに通じる皮膚細胞に運び、抵抗力を作るもの。DBVテクノロジーズの試験では、アレルギーを抱える子供に使用したところ、約半数にピーナッツへの耐性増加が見られた。
これを受け、DBVの株価は大きく上昇。時価総額は10億ドル(約1200億円)に迫っている。同社は昨年10月、米国で株式を売却し、約1億ドルを調達した。
2016年早々に計画されている試験には、子供から成人まで250~400人が参加する予定。成人については有意な結果が得られていないが、同社はパッチに含まれるピーナッツタンパク質の量を増やし、まずは10代の若者で成果を出したいと考えている。
調査会社エジソン・インベストメント・リサーチは、試験が好調に推移した場合、パッチの年間売り上げは最大19億ユーロ(約2820億円)に達する可能性があると試算している。
(画像はDBVテクノロジーズのギャラリーより)

DBVテクノロジーズ「Viaskin Peanut」
http://www.dbv-technologies.com/en/viaskin-products/