優先審査品目にも指定
エーザイ株式会社は、2016年1月18日、自社創製の新規抗がん剤レンバチニブメシル酸塩(一般名、以下、レンバチニブ)について、進行又は転移性腎細胞がんに係る適応拡大申請が、FDAに受理されるとともに、優先審査品目に指定されたことを発表した。
背景
腎がんの罹患者数は、2012年において世界で約33万8000人、米国では約5万8000人、欧州では約11万5000人、日本では約1万7000人と推定されている。
腎細胞がんは、腎臓におけるがんの90%以上を占めており、女性より男性に多く発症し、罹患率は50歳代後半以降に増加するといわれている。手術が困難な進行性や転移性の腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準だが、5年生存率は低く、有効性のある薬剤が求められている。
臨床第II相試験
血管内皮細胞増殖因子を標的とした前治療歴を有する、切除不能な進行又は転移性腎細胞がんの患者を対象とした、今回の申請に用いた臨床第II相試験は、レンバチニブ(18mg)/エベロリムス(5mg)併用投与、レンバチニブ単剤(24mg)投与、エベロリムス単剤(10mg)投与の3群の有効性と安全性を比較した試験である。
併用投与群、レンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を延長した。さらに、併用投与群及びレンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、より高い奏効率を示した。

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201603.html