がん免疫療法薬「エロツズマブ」
ブリストル・マイヤーズ株式会社は、2015年12月24日、がん免疫療法薬「エロツズマブ」について、再発又は難治性の多発性骨髄腫の適応で、レブラミド(一般名:レナリドミド)およびデキサメタゾンとの併用療法として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は、血液がんの一つで、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する抗体を、産生する形質細胞という血液細胞ががん化したものである。症状は病気が進行するまで現れることが少なく、早期診断が難しい病気としても知られている。また、完治を望むことが難しく、治療法の選択肢も限られているという現状がある。
エロツズマブの申請と承認
エロツズマブは、大規模第III相臨床試験で持続的な有効性と安全性が実証された、多発性骨髄腫治療にはこれまでになかった作用機序のがん免疫療法薬である。
今回の申請は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に対して、エロツズマブとレブラミドおよびデキサメタゾンとの3剤併用(E-Rd)群と、レブラミドとデキサメタゾンのみの2剤併用(Rd)群とを比較するランダム化第III相臨床試験であるELOQUENT-2(CA204-004)試験のデータを根拠としている。
米国では2015年11月30日FDAによって、「Empliciti」という製品名で、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法として、1から3種類の前治療歴を有する多発性骨髄腫患者に対する治療薬として承認された。
今回の申請が承認されれば、再発又は難治性の多発性骨髄腫と闘っている国内の患者に、新しい選択肢が増えることになる。

ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリース
http://www.bms.co.jp/press/20151224.html