LPA法による検査薬
ニプロ株式会社(以下、ニプロ)は、2015年12月24日、標的遺伝子の類似性を検出するLPA(Line Probe Assay)法を用いた多剤耐性結核遺伝子検査薬がWHO(世界保健機関)の推奨を取得したと発表した。
現在、結核の中で増加しているのは多剤耐性結核患者で、主だった抗結核薬(リファンピシンとイソニアジド)では効果がないため治療が難しい。また、結核の症状に似ている非結核性抗酸菌症の患者も増加傾向を示している。
迅速で安価な検査薬
ニプロは、ジュネーヴに本部を置くFIND(Foundation for Innovative New Diagnostics)と共同で多剤耐性結核遺伝子検査薬の評価試験を実施してきた。
従来の検査が判定に2週間~2カ月間を要するのに対し、同検査薬は結核遺伝子の検出と薬剤(リファンピシンとイソニアジド)に対する感受性の判定をわずか1日で行う。さらに、結核菌群に加え、非結核性抗酸菌種(3種)を同時に鑑別する。
FINDは、2003年5月にWorld Health Assembly(世界保健会議)で発足した非営利目的の基金で、革新的で新しい検査法の開発を目指している。
今後、ニプロは、結核の撲滅に貢献するため、FINDとともに迅速・安価な検査キットを供給する他に、医薬品の供給も検討する考えである。

ニプロ株式会社 ニュースリリース
https://www.nipro.co.jp/news/document/151224.pdf