新規の全身性治療薬
ノバルティス ファーマ株式会社は、2015年12月21日、「コセンティクス皮下注150mgシリンジ」、「コセンティクス皮下注用150mg」(以下、コセンティクス)で膿疱性乾癬の効能追加承認を取得した。
難治性の疾患である膿疱性乾癬は、発熱、皮膚の発赤に加え、全身に無菌性の膿疱が出現する。皮膚の病変が著しく、繰り返し再発するため、身体的かつ精神的に患者のQOLの低下が目立つ。
全身性の炎症が長期化すると、二次性の全身性アミロイドーシスや関節炎の合併が原因となる関節の不可逆的変形、ぶどう膜炎などの合併症による失明など、深刻な病態に陥る場合もある。
厚生労働省難治性疾患克服研究事業の特定疾患に指定され、日本での罹患者は乾癬患者全体の1%程度である。膿疱性乾癬を適応症とする全身性治療薬は、副腎皮質ホルモン剤、シクロスポリン、エトレチナート、インフリキシマブなどに限定され、新規の治療薬が期待されていた。
世界初のヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体
同社は、日本人膿疱性乾癬患者12例に対しコセンティクスの非盲検試験を行い、16週間で12例中10例に効果を認めた。その内、改善が顕著であったのは9例、改善が中等度であったのは1例。副作用については、52週間で12例中4例に確認された。
コセンティクスは選択的にインターロイキン-17A(以下、IL-17A)に結合して、IL-17Aの生物活性を中和するヒト型ヒトIL-17Aモノクローナル抗体である。IL-17Aが膿疱に集積した好中球の皮膚組織への浸潤を促し膿疱性乾癬の発症に関わるとされ、皮膚と関節の炎症抑制効果があると考えられる。

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2015/pr20151221_02.html