便秘型過敏性腸症候群患者を対象に
アステラス製薬株式会社は、12月1日、同社の「リナクロチド」について、成人の便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)患者を対象とした第3相試験で主要評価項目を達成したと発表した。
同薬は、同社が米国のIronwood Pharmaceuticals, Inc.より導入し開発しているグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体作動薬。
世界30か国以上において販売済み
「リナクロチド」は、腸粘膜上皮細胞に発現しているGC-C受容体に対して、局所的に結合する。GC-C受容体を活性化することにより、腸管分泌及び腸管輸送能を促進し、かつ腸管の痛覚神経の活性を低下させることが、非臨床試験で確認されている。
同薬は、成人のIBS-Cと慢性特発性便秘の適応症で、世界30か国以上において販売済み。日本では成人の2.9%がIBS-Cであるといわれているが、IBS-Cで承認されている薬剤は存在しないのが現状だ。
2016年の製造販売承認申請を目指す
今回の「リナクロチド」第3相試験は、プラセボ対照二重盲検比較試験として実施された。日本のIBS-Cの成人患者500例を、1:1比で同薬投与群とプラセボ投与群に無作為に割り付け、有効性と安全性を検討している。
結果、2つの主要評価項目において「リナクロチド」投与群は、統計学的に有意な改善を示したという。アステラス製薬は、同薬の2016年の製造販売承認申請を目指し、開発を進めるとしている。

日本におけるリナクロチド(一般名)の第3相試験結果のお知らせ - アステラス製薬株式会社
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/