ゼノアックリソース社が商品化
NEDOプロジェクトの成果により、幹細胞評価基盤技術研究組合の組合員であるゼノアックリソース株式会社(以下、ゼノアックリソース)は、国立成育医療研究センターや産業技術総合研究所との共同で、ジメチルスルホキシド(DMSO)を使用しない細胞凍結保存液を開発した。
「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」は、NEDOが中心となり、医療の場で使用される再生医療製品を安全かつ安価に製造・加工するために研究開発を実施してきた。
背景
DMSOは細胞凍結保存時に細胞内で氷が結晶化し、ダメージを与えるのを防ぐために添加されており、国内の細胞バンクを始め、臨床用・研究用を問わず広く使用されている。しかし、DMSOによる分化誘導が懸念される細胞が存在し、DMSOの濃度によっては細胞毒性を示すことが知られていることから、DMSOを使用しない凍結保存液の開発が望まれていた。
完成までの道のり
ゼノアックリソースは、細胞凍結保存に関する技術を応用し、最適なDMSOフリータイプの凍結保存液の処方検討を行った。また、Good Manufacturing Practice(GMP)準拠した製品化を達成した。
DMSOフリー細胞凍結保存液の評価試験は、産業技術総合研究所などの複数施設において行われ、様々な間葉系幹細胞を良好な状態で凍結保存できることが示された。
今回開発された細胞凍結保存液は、ゼノアックリソースが商品化し、タカラバイオ株式会社と提携して2015年12月1日より販売開始される。今後、バイオテクノロジーや再生医療分野での貢献が期待できる。
(画像はプレスリリースより)

NEDO プレスリリース
<a href=" http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100491.html " target="_blank"> http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100491.html </a>