分化誘導技術を活用
タカラバイオ株式会社(以下、タカラバイオ)は、2015年11月16日、iPS細胞から安定した品質の肝細胞を分化誘導する研究用試薬と関連製品を発売した。
iPS細胞から肝細胞へ分化誘導するには、まず、iPS細胞から胚体内胚葉細胞(以下、DE細胞)に分化誘導した後、DE細胞から肝細胞に分化誘導するというステップを踏むが、出発材料となるiPS細胞株がそれぞれ異なるため、作製された肝細胞の品質が一定ではないという課題があった。
タカラバイオグループは、顧客が保有するiPS細胞株の品質に関係なく、安定した高品質な肝細胞への分化誘導を可能にする研究用試薬「Cellartis(R) iPS Cell to Hepatocyte Differentiation System」を開発した。
開発には、旧Cellartis社(現TAKARA Bio Europe AB社)の保有する分化誘導技術を活用した。同社は2014年から同グループのパートナーとなっている。
ブランドのラインアップを拡充
今回、発売した製品には、iPS細胞からDE細胞を分化するキット「Cellartis(R) Definitive Endoderm Diff Kit with DEF-CS(TM)」とDE細胞から肝細胞を分化誘導するキット「Cellartis(R) Hepatocyte Diff Kit」がある。
さらに、これらを1つにしたiPS細胞から肝細胞を分化誘導するキット「Cellartis(R) iPS Cell to Hepatocyte Differentiation System」など。ニーズに即したiPS細胞由来肝細胞の作製を実現する製品となっている。
タカラバイオグループは市場の高まりを受けて、今後も、幹細胞分野の製品・サービスを開発し、幹細胞関連製品の「Cellartis(R)」ブランドを充実させていく方針である。

タカラバイオ株式会社 プレスリリース
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=2661