共同研究契約を締結
エーザイ株式会社は、新規抗マラリア薬を開発するため、リバプール熱帯医学校とリバプール大学との共同研究、MMVとの共同研究の契約をそれぞれ締結したと2015年11月5日に発表した。
マラリアは致死性が高く、世界保健機関(WHO)の報告では、2013年の推定感染者数は1.98億人、亡くなった人は推定約58万人に上る。
現在、アルテミシニン系抗マラリア薬にルメファントリンなどの薬剤を併用して速効性と持続性の効果をもたせた治療法が行われているが、アルテミシニン系薬剤に耐性の問題が生じている。
国際的非営利組織、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)が開発途上国等における感染症を制圧する新薬開発に取り組んでおり、同社による二つの共同研究プログラムは、同基金からの助成金を交付される。
新規作用機序をもつ新薬
リバプール熱帯医学校(Liverpool School of Tropical Medicine)とリバプール大学(University of Liverpool)とは、新規抗マラリア薬の候補化合物E209の前臨床試験を実施する。
E209はヒトマラリア原虫全般に効果的であるため、アルテミシニン系の抗マラリア薬が効かない患者に貢献する可能性がある。
非営利官民パートナーシップのMMV(Medicines for Malaria Venture)とのプログラムでは、新規作用機序をもつ抗マラリア薬を開発するため、候補化合物の特定に着手する。
特定には、同社がもつ化合物ライブラリーをスクリーニングした化合物群と同社開発のマラリア原虫の生育に対して生合成阻害活性をもつ化合物群を最適化する方法を用いる。
同社は、これらのプログラムを通して、既存薬に耐性があるマラリア原虫への対策や、マラリアの再発防止、蚊への伝播防止を目標とする。

エーザイ株式会社 プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201576.html