英国国立医療技術評価機構による
参天製薬株式会社(以下、参天製薬)は、「Ikervis」(一般名:シクロスポリン)(以下、「アイケルビス点眼液」)の「成人患者において人工涙液等で効果が不十分なドライアイに伴う重度の角膜炎を適応症」とする使用について、英国国立医療技術評価機構(以下、NICE)が行った使用推奨する旨の最終指針発表を、公表した。
背景
ドライアイにより誘発される重度の角膜炎は適切な治療が施されない場合、合併症や慢性的な角膜損傷、失明に至る可能性があることが確認されている。また、欧州では、約70万人の成人患者がドライアイに伴う重度の角膜炎に苦しんでいると考えられている。
「アイケルビス点眼液」に含まれるシクロスポリンは、ドライアイの炎症を抑制する作用が確認されており、「アイケルビス点眼液」のカチオニックナノエマルジョン製剤の作用により、抗炎症作用を有するシクロスポリンを効果的に患部に行き渡らせることができる。
使用推奨までの道のり
参天製薬は、「アイケルビス点眼液」の第III相臨床試験であるSANSIKA試験において、重度の成人ドライアイ患者に1日1回の投与により「アイケルビス点眼液」の有効性と安全性を評価するため、多施設共同無作為化基剤対照二重盲検による6か月間の試験後に、6か月間の非盲検安全性フォローアップ試験を実施した。
その結果、「アイケルビス点眼液」を1日1回投与した、重度ドライアイ患者の眼表面の炎症を減少させ、角膜損傷を軽減し、疾患の重症度の改善を示すデータが得られた。
今回のNICEの使用推奨により、「アイケルビス点眼液」は、イングランドにて人工涙液等で効果が不十分な患者に新たな治療選択肢を提供することが可能となる。
今回に先立ち、スコットランドの医療技術評価機関からも、「アイケルビス点眼液」のスコットランドにおける患者への使用推奨の決定を既に受けている。

参天製薬 ニュースリリース
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