ECHELON-1試験
武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)は、米国のSeattle Genetics, Inc.(以下、シアトルジェネティクス社)と共に、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の臨床第3相試験に当たるECHELON-1試験の患者登録を完了したと2015年10月28日に発表した。
ECHELON-1試験では、進行期古典的ホジキンリンパ腫の患者を対象に、同疾患の標準的な一次治療として知られるABVD療法と、アドセトリスとAVD療法の併用とを比較して、アドセトリスの一次治療の有用性を検討する。
登録した患者は約1,300名で、いずれも古典的ホジキンリンパ腫のステージ3あるいは4との診断を受け、全身化学療法や放射線療法の治療歴はない。データ取得は2017年~2018年を予定している。
古典的ホジキンリンパ腫
リンパ系組織に発生する一般的な血液がんのリンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫で区別される。古典的ホジキンリンパ腫には他のリンパ腫にはないCD30陽性のリードスタンバーグ細胞という特徴がある。
米国がん学会は、2015年にホジキンリンパ腫と診断される患者数は約9,050名、同疾患により亡くなる患者数は1,150名以上と予測する。リンパ腫連合の推計では、毎年、全世界で新たに62,000名がホジキンリンパ腫と診断されて、約25,000名が亡くなっているという。
アドセトリスは古典的ホジキンリンパ腫に発現するCD30抗原を標的とした抗体薬物複合体である。武田薬品とシアトルジェネティクス社は、ECHELON-1試験の結果が一次治療の適応追加を可能にし、将来、アドセトリスが同疾患の新たな治療法として認められることを期待している。

武田薬品工業株式会社 プレスリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2015/20151028_7176.html