製薬業界ニュース
2025年05月19日(月)
 製薬業界ニュース

酵素合成・単離保護 一貫して細胞内で行う手法を開発

新着ニュース30件






























酵素合成・単離保護 一貫して細胞内で行う手法を開発

このエントリーをはてなブックマークに追加
酵素の長期安定保存を達成
東京工業大学大学院・安部聡助教、上野隆史教授と京都工芸繊維大学・森肇教授らの研究グループは、細胞内で生じるタンパク質結晶化現象を利用し、酵素合成、単離保護までを一貫して細胞内で行う手法を開発した。

酵素
背景
酵素は、生体内で様々な化学反応を温和な条件で高選択、高効率で行うタンパク質であり、工業的にも注目を集めているが、多くの酵素はpHの変化や溶媒環境に活性が大きく影響され、活性を維持したまま長期保存することは困難である。

酵素の耐熱向上や有機溶媒中での安定性や活性向上のためには、精製や固定化反応の煩雑な操作が必要となる。酵素の合成から固定化までを簡便かつ大量に行い、酵素の活性を維持したまま長期にわたって保存可能な酵素固定化技術の開発が求められてきた。

研究成果
研究グループは、昆虫細胞内で合成されるタンパク質結晶である、多角体結晶のウィルス内包機構に着目し、多角体結晶へ細胞内で別途合成した酵素を内包し、酵素の安定保存と多角体の溶解を利用した酵素の放出制御を試みた。

昆虫ウィルスが細胞感染時に作り出す多角体と呼ばれるタンパク質が細胞中で結晶化するのと同時に、同じ細胞で、多角体結晶に親和性の高いタグペプチドを組み込んだ酵素を作り出し、結晶に内包させた。さらに、多角体のアミノ酸置換によって、酵素の活性を保持したまま、結晶から放出することに成功した。

今後、今回の研究成果により、一連の反応は単一の細胞内で完結されるため、タンパク質精製などの煩雑な操作は完全に不要となり、熱やpH変化に弱い酵素や低収量の酵素合成に利用できるだけでなく、結晶からの放出制御を利用し、経口薬やワクチンへの応用が期待される。

(画像は「東工大ニュース」より)


外部リンク

東京工業大学 ニュース
http://www.titech.ac.jp/news/2015/032516.html


Amazon.co.jp : 酵素 に関連する商品
  • アステラス製薬、テレビCM「明日は変えられる。~過活動膀胱篇~」の放映を開始(3月20日)
  • 大正製薬、乗り物酔い止め薬「センパア」シリーズをリニューアル(3月20日)
  • リアルテックファンド、独自技術により高純度の単結晶を開発する研究所に出資を実施(3月18日)
  • 久光製薬、水虫・たむし治療薬「ブテナロック(R)Vα クリーム 18g、液 18mL」をリニューアル発売(3月17日)
  • アンジェス、米国でDNAワクチンに関する特許を取得(3月17日)
  • Yahoo!ブックマーク  Googleブックマーク  はてなブックマーク  POOKMARKに登録  livedoorClip  del.icio.us  newsing  FC2  Technorati  ニフティクリップ  iza  Choix  Flog  Buzzurl  Twitter  GoogleBuzz
    -->