7年間にわたる解析で
ノバルティスは第III相臨床試験であるFREEDOMS及びFREEDOMS II試験に関する新たな解析から、ジレニア(一般名・フィンゴリモド)の長期有効性プロファイルが強化されたと発表した。
多発性硬化症(multiple sclerosis、以下MS)は中枢神経系(CNS)の慢性疾患で、炎症や組織の変性により、脳、視神経等の正常な機能が侵される。MSが進行すると、身体的機能及び認知機能の双方が悪化し、若年成人で多く発症するMS患者、世界中で約230万人に多大な悪影響を及ぼしている。
ジレニア
「ジレニア」は、再発性多発性硬化症(relapsing multiple sclerosis、以下RMS)の経過に影響を及ぼす唯一の経口疾患修飾性治療薬(DMT)である。
ノバルティスが田辺三菱製薬株式会社から技術導入した薬剤で、海外ではノバルティスが単独で、国内ではノバルティス ファーマ株式会社と田辺三菱製薬株式会社が共同開発し、2011年11月よりMS治療薬として販売している。
効能・効果は「多発性硬化症の再発予防及び身体的障がいの進行抑制」。日本においては現在、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の患者を対象とした第III相臨床試験を実施中である。
NEDA-4の達成
NEDA-4とは、臨床的再発、MRI病変、脳萎縮(脳容積減少)、身体的障がいの進行という4つの主要な指標に基づいた「疾患活動性の認められない状態」であり、多発性硬化症における疾患コントロールの総合的指標である。
今回の解析では、RMS患者に「ジレニア」を投与し、NEDA-4を達成した患者の割合を7年間にわたり1年ごとに評価した。
FREEDOMS試験及び継続試験でジレニアを3~7年間継続的に投与された患者の31.2%~44.8%がNEDA-4を達成し、別の解析から、1年目のNEDA-4は、長期予後を予測する上で3つの指標(臨床的再発、MRI病変、身体的障がいの進行)による評価よりも有用であることを確認した。

ノバルティス プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2015/pr20151020.html