抗悪性腫瘍剤「アバスチン」
中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体ベバシズマブ(遺伝子組換え)販売名「アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」(以下、アバスチン)の「進行・再発の子宮頸がん」に対する効能・効果追加の承認申請を厚生労働省に行った。
今回の申請は、海外で実施された第III相臨床試験(GOG-0240試験)及び国内第II相臨床試験(JO29569試験)の成績に基づいている。
第III相臨床試験
GOG-0240試験では、452人の治療抵抗性、再発又は転移性子宮頸がんの患者において、標準化学療法単独群と、標準化学療法・アバスチン併用群の有効性と安全性を検討した。
アバスチン併用群では化学療法単独群に比べ、全生存期間中央値が3.9か月延長し、統計学的に有意に死亡リスクを26%減少した。また、化学療法単独群に比べ、有意な無増悪生存期間の延長と腫瘍縮小率の改善が認められた。
安全性は、アバスチンで今までに報告されたものと同様だったが、消化管腟瘻(全て骨盤部への放射線治療歴を有していた患者)はアバスチン併用群で化学療法単独群に比べ多く発現した。
第II相臨床試験
JO29569試験では、登録された8名の患者において、試験治療開始前に治験中止となった1例を除く7名の進行・再発子宮頸がん患者に対して、標準化学療法・アバスチン併用時の忍容性、安全性及び有効性の検討を行った。
その結果、併用療法の忍容性が確認されるとともに、安全性について問題となる有害事象は認められなかった。

中外製薬 ニュースリリース
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