共同研究において見出した
協和発酵バイオ株式会社は、9月4日、L-オルニチンを含む食品の摂取が日本人高齢者の褥瘡改善に効果を示すことを、久留米大学および大牟田中央病院との共同研究において見出したと発表した。
褥瘡は、一般的に「床ずれ(床擦れ)」ともいわれる疾患。
体たんぱく合成に関与する栄養の補給
褥瘡は、低栄養状態の高齢者に見られる疾患。寝たきりになることなどにより、圧迫されている部分の皮膚がダメージを受けることで生じる。治療については、物理的な処置に加え、体たんぱく合成に関与する栄養の補給が近年推奨されている。
今回の研究において協和発酵バイオは、日本人高齢者の多様な部位の褥瘡に対するL-オルニチン補給の効果を検討。L-オルニチンはアミノ酸の一種であり、成長ホルモンの分泌促進・アンモニアの解毒・ポリアミンの前駆体となることなどの作用が知られている。
同社は既に、L-オルニチンの投与による褥瘡モデルラットの創傷治癒促進効果も、先行研究において報告していた。
改善に有効である可能性を示唆
今回の研究では、1日あたり2.5gのL-オルニチンを8週間摂取し続けることで、褥瘡の重症度が低下したという。また、筋たんぱく質の分解指標である尿中3-メチルヒスチジンの全例の平均値も減少。L-オルニチンの摂取が、褥瘡の改善に有効である可能性が示唆されたとしている。
協和発酵バイオは今後も、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、世界の人々の健康と豊かさに貢献するとしている。

欧州静脈経腸栄養学会(ESPEN 2015)にてオルニチンに関する研究を発表 - 協和発酵バイオ株式会社
http://www.kyowahakko-bio.co.jp/news/20150904.html