重症熱傷の治療に使用される「ジェイス」
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは、9月8日、同社の「自家培養表皮ジェイス」について、先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした治験が終了したと発表した。
同製品は、重症熱傷の治療に使用されている再生医療等製品。今回終了した治験は、同製品の適応拡大を目指して実施されたもの。治験終了届書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に受理されている。
企業主導治験として進めていた
先天性巨大色素性母斑は、黒褐色のあざが生まれつき体の広範囲にみられる疾患。悪性化して皮膚がんになる危険性があるとされている。従来の治療では、母斑の切除および縫合や、体の他の部位から採取した患者自身の正常な皮膚の移植などが行われていた。
同社は、重症熱傷を適応対象とする「ジェイス」の製造販売承認を平成19年に取得した後、同製品の先天性巨大色素性母斑への適応拡大を推進。国立成育医療研究センターなどにおいて実施されていた同製品の医師主導治験を平成26年に継承し、企業主導治験として進めていた。
少量の組織採取から広範囲の治療が可能に
「ジェイス」による先天性巨大色素性母斑の治療は、患者自身の皮膚組織を培養することで製造した同製品を、患者の母斑切除部に移植する。少量の組織採取から広範囲の治療が可能であり、患者の負担軽減が可能になるという。
同社は今後も、自家培養表皮のさらなる適応拡大を目指すとともに、患者のQOLの向上に貢献するとしている。
(画像はニュースリリースより)

自家培養表皮ジェイス 先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした治験終了のお知らせ
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