ALK陽性の進行非小細胞肺がんに効果
2015年9月9日、中外製薬株式会社及びF. ホフマン・ラ・ロシュ社は、ALK阻害剤「アレクチニブ塩酸塩」(以下、アレクチニブ)について、ロシュ・グループのジェネンテック社が、FDAに行っていた「クリゾチニブに不応又は不耐容のALK陽性の進行非小細胞肺がん」を効能・効果とする承認申請について、受理されたと発表した。
「アレクチニブ」の創製と販売
「アレクチニブ」は、中外製薬で創製された、ALKへの高選択性、脳転移への有効性が示唆されている、経口のALK阻害剤で、中外製薬及びロシュ社が推進する個別化医療(Personalized Healthcare)に合致した薬剤である。
クリゾチニブ投与後に病勢進行が認められたALK陽性の非小細胞肺がん患者に対する投与について、2013年6月にFDAより画期的治療薬指定(Breakthrough Therapy Designation)を受けた。
国内では、「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果、販売名「アレセンサカプセル20mg、同40mg」として、2014年9月から中外製薬が販売している。
効果と有効性
非小細胞肺がん患者の2~5%でALK融合遺伝子の発現が報告されており、この融合遺伝子が発現している細胞は恒常的にALKのキナーゼ活性が上昇しており細胞増殖が制御されず、細胞が腫瘍化していると考えられている。
「アレクチニブ」は、このキナーゼ活性を選択的に阻害することにより腫瘍細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘導することで、抗腫瘍効果を発揮する。
さらに、「アレクチニブ」は、薬剤を能動的に脳から排出するポンプである血液脳関門におけるトランスポーター蛋白に認識されず、中枢神経系において活性があり、脳転移に対する有効性も確認されている。

中外製薬 ニュースリリース
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