本年7月には迅速審査に指定
武田薬品工業株式会社は、8月21日、新規経口プロテアソーム阻害薬「イキサゾミブ」について欧州医薬品庁(EMA)に提出していた販売許可申請が、受理されたと発表した。
同申請は、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象として提出されていたもの。同薬は本年7月23日、EMAの欧州医薬品評価委員会(CHMP)より迅速審査の指定を受けていた。
形質細胞が増加する多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は形質細胞腫瘍であり、骨髄に見つかる疾患。同疾患では、形質細胞すなわち骨髄腫細胞の一群が、がん化する。体内を広く循環する形質細胞が通常より増加するため、多くの骨に影響を与え、結果として圧迫骨折・溶解性骨病変・関連疼痛に繋がることがある。
「イキサゾミブ」は、多発性骨髄腫や全身性ALアミロイドーシスなど悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬。米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にはALアミロイドーシスについて、それぞれオーファン指定を受けている。
新薬を届ける取り組みを強化
今回の欧州での申請は、臨床第3相試験の最初の中間解析データに基づいて行われた。同試験は、722名の再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象に「イキサゾミブ」群とプラセボ群を比較。長期的な転帰についての評価が行われている。
同社は、同薬の臨床開発プログラムにより、世界中の多発性骨髄腫患者や医療関係者へ革新的な新薬を届ける取り組みを、さらに強化していくとしている。

イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請の欧州当局の受理について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2015/20150821_7103.html