統合解析 米の消化に関わる遺伝子の個人差やHLAの詳細などを示す
2015年8月21日、東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部門を中心とした研究チームは、健常な日本人1070人分の全ゲノムを解析し、精度検証を進めることで、日本人の全ゲノムリファレンスパネルを構築したと発表した。
東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査
東北大学東北メディカル・メガバンク機構は、岩手医科大学と共に東日本大震災からの復興事業として、東北メディカル・メガバンク計画に取り組んでおり、両大学は、宮城県・岩手県の地域住民15万人規模のコホート調査を2013年から実施している。
1000人以上の全ゲノム情報に基づく日本人がもつアレル頻度0.1%以上のSNVsをほぼ(90%以上)網羅した解析を世界で初めて行った。
研究結果と今後への期待
今回の研究を通じて明らかにされたアレル頻度5.0%以上のSNVsの頻度情報については、リファレンスパネルの概要版として公開してきたが、今回の論文発表により完成した。
日本人の全ゲノムの中の2万個以上の遺伝子のほぼ全ての領域におけるコピー数の違いについて、詳細プロファイルを世界で初めてデータベース化した。
日本人を対象とした、希少疾患の原因変異かどうかの推定、遺伝子の機能に関わる個人差の原因となる変異の探索、日本人特有のゲノムに基づくリスク診断・医療・創薬のための基盤情報等の、あらゆるゲノムに関連した研究に役に立つことが期待される。
(画像はプレスリリースより)

日本医療研究開発機構 プレスリリース
http://www.amed.go.jp/news/release_20150821.html