研究用iPS細胞の作製・供給・販売を許諾
株式会社アイロムグループは、8月14日、同社の子会社であるIDファーマ株式会社と米国のMinerva Biotechnologies社(以下「ミネルバ社」)が、研究用iPS細胞などの供給・販売を目的とする技術実施許諾契約を締結したと発表した。
同契約は、IDファーマが所有するiPS細胞誘導キット「CytoTune-iPS」を用いた研究用iPS細胞の作製・供給・販売について、ミネルバ社に許諾するもの。
iPS細胞誘導キット「CytoTune-iPS」
「CytoTune-iPS」は、京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞作成技術と、IDファーマのセンダイウイルスベクター技術を融合させて開発された、iPS細胞誘導キット。
同キットは、一回のみのベクターの使用で線維芽細胞などの体細胞からiPS細胞を効率よく誘導することができる。特にヒトに大きな苦痛を与えずに採取できる末梢血・血液細胞からの効率的な誘導が可能であり、他の方法と比べて優れた性能を有している。
さらに同キットを用いて作製されたiPS細胞は、元の細胞が持つ染色体上の遺伝子配列を無傷の状態で維持。また、iPS細胞誘導に用いたベクターも残っていないため、国内外の研究者から高い評価を受けている。
再生医療開発の加速が期待
ミネルバ社は、iPS細胞をナイーブ状態と呼ばれる未熟な状態にする技術の保有で知られる。
今回締結された契約によりミネルバ社は、全世界のユーザーに対して高品質なiPS細胞と、それに由来する分化細胞を、供給することができるようになった。これにより、基礎研究や再生医療開発の加速が期待されている。

子会社による米国Minerva Biotechnologies社向け技術実施許諾契約締結のお知らせ - 株式会社アイロムグループ
http://www.irom-hd.co.jp/up_pdf/20150814170307