候補化合物の早期取得
アステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)と、双方の高い専門性を生かし、眼科と腎疾患の2領域での創薬プロジェクトとして共同研究を開始したことを、2015年7月23日に発表した。
アステラス製薬は、泌尿器、がん、免疫科学、腎疾患、神経科学の重点疾患領域にとどまらず、新しい疾患領域の創薬にも積極的に参入している。創薬研究では、新規の技術や治療手段を取り入れる他、今回のように外部パートナーとの連携にも取り組んでいる。
双方の創薬技術を活用
この創薬プロジェクトでは、アステラス製薬がもつ約1万種類のタンパク質複合体構造情報と、産総研がもつ高度なIT創薬技術とを融合することで、医薬品候補となる化合物探索を高効率に実現し、早期の取得を目指すものである。
アステラス製薬は、タンパク質とそれに作用する候補化合物の組み合わせを3次元構造で情報化した複合体結晶構造情報を約1万種類蓄積している。この複合体構造には「薬になりやすさ(ドラッグライクネス)」の高い候補化合物が含まれている。
産総研のIT創薬技術とは複合体構造の解析に役立つ技術や計算手法のことで、タンパク質の構造の揺らぎも解析できる。タンパク質は生体内で構造が揺らぐため、まず、タンパク質の静的な構造をX線結晶構造解析でとらえ、次に、分子シミュレーションを実施してその構造変化を得る。
(画像はプレスリリースより)

アステラス製薬株式会社 プレスリリース
http://www.astellas.com/