医薬品原材料として使用可能な甘草 国内量産化
2015年07月15日、三菱樹脂株式会社及び、株式会社グリーンイノベーションは両社が開発した技術により、第16改正日本薬局方基準が定めたグリチルリチン酸含量を満たす、医薬品原材料として使用可能な甘草の国内量産化に一定の目途がたったことを発表した。
漢方薬の約7割に使用されている甘草は、そのほとんどが野生品かつ、すべてを海外からの輸入に依存しており、国内での栽培が急がれていたが、原産地との気候風土の違い等から、国内での人工栽培は困難だとされてきた。
薬用植物(薬草)は漢方薬だけでなく、食品、健康食品、化粧品等の幅広い分野で原材料として利用されている。しかし、甘草などの薬草の生産国では、乱獲の問題が表面化し、採取制限される動きがあり、薬草の安定確保が大きな課題である。
国内栽培技術の共同開発
両社は2009年より甘草の国内栽培技術の共同開発を進め、様々な試験栽培と、全国各地30数か所(北海道~沖縄)での実証栽培の結果、「畑作に適した甘草苗の生産条件」、「畑作での甘草栽培技術」、「優良株の選抜と増殖技術」、の3項目を確立した。
2014年秋には、収穫物全体の平均含量で2.8%を達成し、これは第16改正日本薬局方基準(グリチルリチン酸含量2.5%以上)を満たす。これにより、医薬品原材料として国産甘草が利用できる可能性を示し、今後の全国ベースでの栽培拡大による量産化が期待される。
今回の成果をもとに、両社は国及び地方自治体に、日本国内の甘草の自給率を高めるための定植地拡大を積極的に働きかけるとともに、日本国内での量産化に向けたビジネスモデルの構築を進めていく。
(画像はニュースリリースより)

三菱樹脂株式会社 ニュースリリース
<a href=" http://www.mpi.co.jp/news/201507150790.html " target="_blank"> http://www.mpi.co.jp/news/201507150790.html </a>