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2025年05月20日(火)
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アトピー性皮膚炎に伴う慢性的な痒み 新しい原因細胞を特定

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アトピー性皮膚炎に伴う慢性的な痒み 新しい原因細胞を特定

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慢性的な痒みに対する治療薬開発の第一歩
2015年7月21日、九州大学大学院薬学研究院ライフイノベーション分野の津田誠教授、白鳥美穂学術研究員らの研究グループは、アトピー性皮膚炎に伴う慢性的な痒みを引き起こす、新しい原因細胞を特定したことを発表した。

アトピー
痒みは通常、ダニや寄生虫などの外敵を引っ掻くことで除去する自己防衛反応と考えられている。しかし、アトピー性皮膚炎などによる耐え難い慢性的な痒みは、過剰な引っ掻き行動を起こすことで皮膚炎を悪化させ、更に痒みが増すという悪循環に陥る。

この「痒みと掻破の悪循環」は痒みを慢性化させる大きな原因となっており、慢性的な痒みによって、睡眠障害や過度の肉体疲労、精神的ストレスなどの原因を引き起こし、極度のQOL低下を招く。

全世界で推定数千万もの人がこのような慢性的な痒みを患っているが、現状、市販の抗ヒスタミン薬などは効かず、有効的な治療薬がない。画期的な治療薬の開発が求められている。

研究結果
研究グループは、皮膚を激しく引っ掻くアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いて研究を行い、引っ掻く皮膚と神経で繋がっている脊髄後角で「アストロサイト」と呼ばれるグリア細胞が長期にわたって活性化していることを発見した。

また、アストロサイト内で遺伝子の発現を促すタンパク質STAT3の阻害により、アトピーマウスにおいてアストロサイトの活性化と引っ掻き行動が共に抑制されることを明らかにした。

さらに、アトピーマウスの脊髄でSTAT3 の働きに伴い、活性化アストロサイトがタンパク質リポカリン 2(LCN2)を作り、LCN2が脊髄後角ニューロンでの痒み伝達物質の作用を強めることも突き止めた。よって、アトピー性皮膚炎に伴って脊髄後角で活性化するアストロサイトが慢性的な痒みの新しい原因細胞であることが明らかとなった。

今後への期待
これまで主に皮膚を中心に研究されてきた慢性的な痒みだが、今回研究グループが脊髄後角で活性化するアストロサイトの重要性を明らかにしたことで、痒みのメカニズムの全容解明へ向けた大きな一歩となった。今後、アストロサイトを標的にした治療薬開発へと期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

九州大学 プレスリリース
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_07_21.pdf


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