心不全入院のリスクを減少させる
ノバルティス ファーマ株式会社は、7月17日、スイスのノバルティス本社が7月7日に発表した心不全治療薬「LCZ696」に関するプレスリリースを、翻訳・要約して発表した。
リリースでは、「LCZ696」が心血管死と心不全入院のリスクを減少させる新しい心不全治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したことが明らかにされた。
売上高のピークが50億ドルを超える
「LCZ696」は、心不全における心臓負荷を軽減すると考えられる、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬。
同薬は、NPシステムやナトリウム利尿ペプチドシステムといった心臓に対する防御的な神経ホルモン機構を促進する。同時に、RAASやレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系といった有害な機構を抑制する作用も持つ。
同剤は現在、カナダやスイス、EUといった世界各国の保健当局による審査を受けている。各国で承認されると、左室駆出率の低下した心不全を適応として同薬は、売上高のピークが50億ドルを超えると予測されているという。
他の心不全治療薬と併用投与
今回のFDAによる承認で、「LCZ696」は、ニューヨーク心臓協会心機能分類クラス2~4の患者に対し、心血管死のリスク低下、および心不全による入院のリスク低下を適応として処方が可能となった。
同薬の投与については、ACE阻害薬またはその他のアンジオテンシン受容体拮抗薬に代え、他の心不全治療薬と併用投与するとしている。

ノバルティスのLCZ696、新しい心不全治療薬としてFDAより承認を取得 - ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2015/pr20150717