新技術に関する権利を譲渡
杏林製薬株式会社と和光純薬工業株式会社は、7月8日、特許出願権利の譲渡契約を締結したと発表した。
同契約は、新技術「グルタチオンアルキルエステル同位体置換体および反応性代謝物の検出方法」に関するもの。
医薬品の重篤な薬物毒性の総称、IDT
今回特許出願権利の譲渡が行われた新技術は、特異体質性薬物毒性(IDT)に関与するとされる反応性代謝物を検出するもので、杏林製薬が開発した。
IDTは、臨床段階では発見できず上市後になって発現した、医薬品の重篤な薬物毒性の総称。発症率は5000人から10000人に1人以下であり、薬物の薬理作用とは無関係に発現する性質を有する。発現のメカニズムは未だ不明だが、反応性代謝物が関与していると考えられている。
反応性代謝物は、医薬品候補物質が生体内で代謝反応を受けて生成する、反応性の高い代謝物。開発初期に排除できれば、IDT発現のリスクを最小化できる。より安全な医薬品を提供すべく製薬企業は、反応性代謝物の試験結果で医薬品開発を進めるか否かの判断を行っている。
締結された契約を受け、新試薬を発売
今回締結された契約を受け和光純薬は、薬物動態研究用反応性代謝物検出試薬「XenoScreen GSH-EE (Tube type)」を7月に発売する。
同試薬は、医薬品の開発初期段階においてIDTリスク評価を行う為の高感度・高選択的な新規反応性代謝物検出試薬。従来法と比較すると安価で使いやすくなっているという。

杏林製薬株式会社と和光純薬工業株式会社との特許権譲渡契約締結について - 杏林製薬株式会社
http://www.kyorin-gr.co.jp/news/docs/