治療プロトコル
メディシノバは、MN-166(イブジラスト)のアルコール依存症を適応とするフェーズ2a臨床治験をUCLAの治験施設で実施中だが、このたび、対象とする「治療下にないアルコール濫用/依存症患者」24名の患者登録を完了した。
臨床治験では、安全性、認容性があり、管理された環境でのMN-166の投与がアルコールへの渇欲を緩和できるかを評価する。
プラセボを対象とする無作為二重盲検比較を行うため、参加した患者をMN-166またはプラセボを投与する群に無作為に振り分け、MN-166またはプラセボを1日に100ミリグラムまで、合計7日間増量していく。
治験薬の投与とともにアルコールを点滴し、アルコールに対する渇欲度のテストと、心理状態の評価、標準的な安全性評価をする。
「休養」期間の7~10日間を間に置いた後、前回とは別の投薬(クロスオーバー・デザイン)による7日間の投薬期間を行う。
MN-166の作用
MN-166はホスホジエステラーゼ-4と-10の阻害剤、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカインなどを阻害する働きの他に、グリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも有する。また、抗神経炎症作用及び神経保護作用も前臨床研究と臨床研究において認められている。
MN-166が、神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALSなど)、薬物濫用/依存症、慢性神経因性疼痛などに治療効果があるのは、以上の作用が根拠となっている。
メディシノバは、再発寛解型多発性硬化症を適応とする治療薬候補として、キョーリン製薬からMN-166のライセンスを導入し、さらに、進行型多発性硬化症及び神経症状についての知的所有権を取得した。現在、MN-166をさまざまな適応で開発している。

メディシノバ プレスリリース
http://www.medicinova.jp/