求められる糖鎖分析の時間短縮
住友ベークライト株式会社は抗体医薬品専用の糖鎖分析キット「EZGlyco(TM)mAb-N Kit with 2-AB」の国内販売を、2016年4月1日に開始した。
抗体医薬品は一般的にCHO細胞などの細胞培養法で生産されるが、抗体を含む培養液には抗体以外のタンパク質や培地由来の物質という夾雑物が混入してしまう。抗体の糖鎖分析には、抗体精製から糖鎖ラベル化まで全工程で1~2日を要するため、時間短縮が課題となっていた。
操作の迅速化・簡便化を実現
住友ベークライトが開発した糖鎖分析キット「EZGlyco(TM)mAb-N Kit with 2-AB」は、抗体医薬品の糖鎖分析を迅速化・簡便化して培養液から糖鎖サンプルの調製までを約2時間で完了するものとなっている。
プロトコル(操作手順書)の指示で培養液からの抗体精製、糖鎖の切り出し、ラベル化までの操作が一つのチューブ内で行える上に、ラベル化工程での毒性試薬は不使用のため操作性、安全性も高くなっている。
同キットの製品化には、次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB組合)を介した関係者との相互交流が寄与している。同社は、ハイスループット化と自動化に向けた製品開発をMAB組合と連携して進めている。
(画像はプレスリリースより)

住友ベークライト株式会社 プレスリリース
http://www.sumibe.co.jp/topics/2016/pdf/0401_02.pdf