小児への用法・用量を追加申請
大日本住友製薬株式会社は、経口血糖降下剤「メトグルコ」錠(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、2型糖尿病における小児への用法・用量を追加する一部変更承認依頼申請を2013年10月24日付けで行った。
メトグルコとは
メトグルコは肝臓における糖新生抑制作用、末梢組織における糖取り込み促進作用、小腸における糖吸収抑制作用などを介して、血糖降下作用を示すビクアノイド系経口血糖降下剤である。現在メトホルミン製剤は2型糖尿病の第一選択薬として広く患者に用いられている。
大日本住友製薬は、2003年メルクサンテ社(メルク社の医療用医薬品部門である現在のメルクセローノ社)から世界100カ国以上で承認され、多数の実績を持つGlucophageを導入し、日本国内での臨床試験を実施した後、2010年に承認を取得し、メトグルコとして発売を開始した。
メトグルコは1日の維持量として750ミリグラムから1500ミリグラム、一日の最高投与量としては2250ミリグラムの投与が可能となっている。
変更承認依頼申請の背景
2型糖尿病における小児の用法・用量の追加について、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討結果を受け、2010年に厚生労働省からの要請があった。この会議は、厚生労働省が主催し、欧米では使用が認められているが、日本では未承認である医薬品や適応について、開発を促進するものである。
大日本住友製薬はこの要請を受け、メトグルコの小児への用法・用量を追加するために臨床試験を行い、今回の一部変更承認依頼申請を行うに至った。
日本における2型小児糖尿病患者は約1000人と推定されている。その発症のピークは10歳から14歳とされており、その年齢で発症した患者が30代から40代になって、深刻な重症合併症を併発しやすいことが大きな問題となっている。
メトグルコの小児への用法・用量が追加することによって、小児の2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善して、将来重症合併症の発生を抑制することが可能になると期待される。

大日本住友製薬株式会社
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