中外とマルホの共同開発
中外製薬とマルホは、両社で共同開発を行ってきた尋常性乾癬治療剤「マーデュオックス(R)軟膏」(以下、マーデュオックス)について、尋常性乾癬を効能・効果として中外製薬が製造販売承認を取得したことを発表した。
マーデュオックス
マーデュオックスは、中外製薬が創製した活性型ビタミンD3誘導体であるマキサカルシトールと、合成副腎皮質ホルモンであるベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルを配合した軟膏。
マキサカルシトールとベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの両剤は尋常性乾癬に対して単独あるいは併用で汎用されている。同剤は、両剤の利点だけではなく、複数の製剤を塗布する等といった併用使用における課題を改善した使いやすい薬剤を提供するため、配合剤として開発されている。
国内で実施された尋常性乾癬患者を対象とした第3相臨床試験では、マーデュオックスを1日1回塗布した場合において、マキサカルシトール軟膏単剤を1日2回塗布した場合およびベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏単剤を1日1回塗布した場合と比較した。その結果、どちらに対しても有効性について優越性が検証されている。
そして、安全性についても両単剤塗布と比較して発現率に大きな差は確認されなかった。
両剤の特徴
マキサカルシトールの有効成分である活性型ビタミンD3には、皮膚が作られる周期を正常化し、角質増加を抑制する作用がある。この作用により、皮膚の新陳代謝が改善され、炎症や紅斑、鱗屑といった皮膚症状が改善される。
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルはステロイド剤と呼ばれている。同剤には効果が早くみられ、患部に直接作用するため、飲み薬のような全身性の副作用がほとんどないという利点がある。
乾癬
乾癬は「炎症性角化症」に分類される慢性の皮膚疾患で、皮膚の炎症と表皮(皮膚の一番外側の層)の新陳代謝異常の二つの側面を持つ疾患。症状により5種類に分類され、その約90%が尋常性乾癬に該当する。日本では人口の0.3%にあたる43万人の患者が存在していると報告がなされている。現在の治療法では完治が難しく、主に対症療法として外用薬などで症状のコントロールが行われてる。

中外製薬ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/