根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬
ノバルティス ファーマ株式会社は、3月28日、「タフィンラーカプセル50mg・75mg」および「メキニスト錠 0.5mg・2mg」の2剤について、BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として、日本における製造販売承認を取得したと発表した。
より強い抗腫瘍効果を発揮
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚の色と関係するメラニンを作るメラノサイトや、ほくろの細胞が悪性化した腫瘍。皮膚がんの中では最も悪性度が高いとされ、治療選択肢が限られていることから新たな薬剤の開発が望まれていた。
「タフィンラー」は、ATP結合部位に競合的に結合することで、BRAFキナーゼ活性を阻害する薬剤。「メキニスト」は、BRAFによるMEK1/MEK2の活性化とそのキナーゼ活性双方を選択的に阻害し、がん細胞の増殖を抑制する作用を持つ。
両剤の併用により、BRAFキナーゼ活性とMEK1/MEK2活性の同時阻害が可能となるため、より強い抗腫瘍効果の発揮が期待されている。
全生存期間におけるベネフィットを実証
今回の承認は、主に日本人を対象とした国内第1/2相臨床試験および海外第3相臨床試験の結果に基づくもの。これら試験において両剤は、全生存期間におけるベネフィットを実証している。
同社は、今回の承認取得により日本の悪性黒色腫患者へ新たな治療の選択肢を提供できることを、嬉しく思うとしている。

BRAF阻害剤「タフィンラー」およびMEK阻害剤「メキニスト」、日本国内での製造販売承認を取得 - ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2016/