認知機能障害に関する新たな臨床成績
武田薬品工業株式会社とH. Lundbeck A/S(以下「Lundbeck社」)は、3月29日、大うつ病治療剤「Brintellix」について、添付文書への臨床試験データ追記申請にかかる審査完了報告通知を米国食品医薬品局(FDA)より受領したと発表した。
両社は同剤について、認知機能障害に関する新たな臨床成績を添付文書の臨床試験の項に追記する旨の申請を、FDAに行っていた。
複数のセロトニン受容体での作用を有する薬剤
「Brintellix」は、神経伝達物質セロトニンの再取り込み阻害作用など複数のセロトニン受容体での作用を有すると考えられており、それらの薬力学的作用を併せ持つ初めてかつ唯一の薬剤。
同剤は、Lundbeck社が創製。米国における臨床試験はLundbeck社と武田薬品が共同で実施し、米国市場における新薬承認申請は武田薬品が行った。現在は64ヶ国で承認されており、世界保健機関(WHO)は「解剖治療化学分類(ATC)」において同剤を「その他」の抗うつ薬というクラスに分類している。
FDAがうつ病による認知機能障害の重要性を認識
FDAの精神系薬物諮問委員会は、うつ病における認知機能障害に対する「Brintellix」の有効性について、10人の委員のうち8人が十分なエビデンスが示されたとする見解を支持した。
武田薬品とLundbeck社は、この通知内容を遺憾に思うとする一方、FDAがうつ病による認知機能障害の重要性を認識し、治療薬開発の対象となり得るとの見解を有する点については喜ばしく思うとしている。

Brintellixの添付文書への臨床試験データ追記申請にかかる審査完了報告通知の受領について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016