増加傾向の寄生虫症
古河電気工業株式会社は、2016年3月18日、赤痢アメーバ症向けの抗体検査試薬を東海大学医学部と共同開発したと発表した。
赤痢アメーバ症は消化管の感染症で、世界では年間約10万人の罹患者が亡くなっている。国内では渡航者に発見されることが多いが、福祉施設での集団感染などで増加傾向にあり、重要な寄生虫症とされる。報告数は年間1,000例以上。感染者の排泄物や生の野菜、果物、肉類から感染する。
直接虫体の検出が難しく、他の寄生虫症と鑑別する必要もある。血清抗体や糞便中抗原の検出は有用だが、方法は限定的であった。
蛍光シリカナノ粒子技術を応用
このたび開発した簡易迅速抗体検出試薬「蛍光イムノクロマト検査薬」は、同社のもつ蛍光シリカナノ粒子(Quartz Dot)技術を応用したもので、これまで3時間~数日間を要していた検査時間が10~20分間と短縮され、赤痢アメーバ症の検出を迅速、簡素化、高感度に行える。
新検査薬のQuartz Dotと被検液(血清)を混合した混合液をテストストリップの端部に滴下して生じた蛍光発光を蛍光測定器で測定すると、赤痢アメーバ―症の有無が定量判定される。
(画像はニュースリリースより)

古河電気工業株式会社 ニュースリリース
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