消化管・肺原発の進行性非機能性神経内分泌腫瘍に対して
2016年3月10日、ノバルティス ファーマ株式会社(以下、ノバルティス)は、「アフィニトール(一般名:エベロリムス)錠」が、消化管または肺原発の局所進行、転移性または切除不能の高分化型の進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)を有する成人患者の治療薬として、FDAから承認されたことを発表した。
「アフィニトール」は、肺原発の進行性非機能性NETに対する初の承認薬となるとともに、消化管原発の進行性非機能性NETの限られた治療選択肢の一つとなる。また、消化管NETに対する初の経口治療薬となる。
神経内分泌腫瘍(NET)
NETは全身の神経内分泌細胞から生じる希少がんで、特に消化管、肺、膵臓に多く発生する。NETには機能性のものと非機能性のものがあり、機能性NETはホルモンなどの物質の過剰分泌によって症状を生じ、非機能性NETでは腫瘍の増殖による症状がみられる。
消化管NETの場合は腸閉塞、疼痛、出血など、肺NETの場合は喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺炎などがみられることもあり、一般的には予後不良で治療選択肢も限られている。
「アフィニトール」 承認申請
「アフィニトール錠」は今回、消化管・肺原発の局所進行、転移性または切除不能の高分化型進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)を有する成人患者の治療薬としてFDAから承認を取得した。
日本では、「アフィニトール錠」の販売名で、2010年に転移性腎細胞がんに対する効能承認取得を皮切りに、膵神経内分泌腫瘍、腎血管筋脂肪腫、上衣下巨細胞性星細胞腫、乳がんなどを対象として次々と承認取得しており、2015年に神経内分泌腫瘍に対する効能追加申請を行った。

ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2016/pr20160310.html