増加する肝がん死亡者数
MSD株式会社(以下、MSD)は、2016年3月11日、ジェノタイプ1型の経口C型慢性肝炎患者(代償性肝硬変患者を含む)を対象に開発された治療薬、「エルバスビル」と「グラゾプレビル水和物」の製造販売承認を申請したと発表した。
肝炎症状のない持続感染者も入れると日本のC型慢性肝炎患者は推定150万から200万人に及ぶ。
肝がんは肺がん、胃がんに続いて死亡者数が多く、急増したのは1975年からで2013年には約3万人に達した。肝がんを発症する原因で最多はC型肝炎ウイルス由来で、全体の約80%を占める。
MSDは感染症治療などの急性期医療領域を重点分野の一つと捉えて開発に取り組んでおり、C型慢性肝炎治療もその中に含まれている。
2種類の経口抗ウイルス薬
同社は、このたび、2種類の経口抗ウイルス薬としてNS5A阻害剤のエルバスビルとNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤のグラゾプレビル水和物を開発し、「エルバスビル」、「グラゾプレビル水和物」の一般名で承認申請を行った。
2016年1月28日、C型肝炎ウイルス(HCV)ジェノタイプ1、4型のC型慢性肝炎に対するリバビリン併用、または非併用治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)が優先審査したZEPATIER(TM)(エルバスビル/グラゾプレビル水和物 経口配合剤)が米国で承認されている。

MSD株式会社 ニュースリリース
http://www.msd.co.jp/