5-アミノレブリン酸、すなわちALA
SBIファーマ株式会社は、3月14日、がん性貧血の改善・予防剤に関して日本での特許を取得したと発表した。
同社はSBIホールディングス株式会社の子会社であり、5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した医薬品などの研究・開発を行う企業。
患者のQOLを向上させる可能性
がん性貧血は、がん患者に特有の貧血。がんの進行に伴い貧血症状が悪化することや、抗がん剤や放射線治療によりさらに貧血が進むことが知られている。従来の対症療法としては、輸血が行われてきた。しかし、各種感染症のリスクや有限である血液供給の問題から、改善および予防に有用な薬剤が切望されている。
がんの診断や治療の分野においてALAは、日本においても既に光線力学的診断で用いられていた。しかし今回、白血病に起因する貧血の改善および予防にALAが用いられ、患者のQOLを向上させる可能性を見いだしたため、SBIファーマは特許を取得したという。
アンメットメディカルニーズに応える
ALAは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。赤ワイン・高麗人参・焼酎粕などの食品に含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られている。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質だが、加齢に伴い生産性が低下する。
SBIファーマは、今後もALAの様々な可能性を追求し、アンメットメディカルニーズに応える医薬品を提供できるよう、研究開発に努めるとしている。

がん性貧血の改善・予防に関する特許取得のお知らせ - SBIファーマ株式会社
http://www.sbipharma.co.jp/pdf/SBI_pharma