シスメックス、メルクの共同開発
シスメックス株式会社(以下、シスメックス)は、メルク社のイメージングフローサイトメトリー(以下、イメージングFCM)技術に関するライセンス契約をメルク社と2013年に締結して以来、血液疾患への適用可能性を共同検証してきたが、2016年3月10日、この技術を活用したFISH検査の自動化システムの開発に着手した。
FISH検査は、特定の遺伝子に結合する蛍光物質を用いて染色体から正常・異常遺伝子を検出する検査方法で、がんの診断などに採用されている。同検査では、光学顕微鏡を使い目視で確認するため労力を要する上に、検査できる細胞数が限られる点が課題となっている。
早期製品化に向けて
今回、両社が開発に着手し、早期の製品化を目指している製品は、FISH検査の自動化を図り、検査プロセスを効率化、標準化するものである。計測可能な細胞数が増加することで検査の精度を上げると考えられる。
両社はFISH検査による治療効果モニタリング適用も構想しており、その第一歩として白血病検査アプリケーションを予定している。
今後、シスメックスはこの検査技術を確立する他、血液疾患マネジメントでの製品ポートフォリオを拡充する方針である。さらに、白血病などの血液疾患検査以外のアプリケーションなど、血液などの体液から検査を行うリキッドバイオプシーの適用範囲拡大も視野に入れている。

シスメックス株式会社 ニュースリリース
http://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2016/160310.html