希少疾病医薬品とは
中外製薬株式会社は、全身性強皮症を対象に開発中のヒト化抗ヒトIL-6 レセプターモノクローナル抗体「トシリズマブ」が、厚生労働省の希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定され、2016年3月17日に通知を受領した。
医薬品医療機器等法により希少疾病医薬品として指定を受けた医薬品は、優先的に審査されることになる。指定には、対象とする患者が5万人未満であり、代替できる医薬品や治療法がないこと、医療上の使用価値が優れている、などの条件に該当する必要がある。
求められる有効な治療法
厚生労働省指定の難病である全身性強皮症は、皮膚が硬化する病変が主な症状とされ、進行すると臓器障害を合併する。発症原因が解明されておらず、症状全体を改善する有効な治療法はまだないため、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤による対症療法を行っている。
同社は、ロシュ社と戦略的アライアンスを提携し、全身性強皮症に対する「トシリズマブ」の共同開発に取り組んでいる。
第II相臨床試験「faSScinate試験」で既存薬より有効な可能性が示されたため、2015年2月に米国食品医薬品局(FDA)の画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定された。現在、プラセボを比較対象とする第III相臨床試験「focuSSced試験」が進められている。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/