鳥居薬品が販売
日本たばこ産業株式会社(以下、JT)は、抗HIV薬「エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(E/C/F/TAF)配合錠」の国内での製造販売承認申請を2016年3月4日に行った。
同配合錠は、鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)が抗HIV薬として2013年に発売した「スタリビルド(R)配合錠」の有効成分、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)をテノホビル アラフェナミドフマル酸塩(TAF)に置き換えたもの。
JTと鳥居薬品は日本国内での販売権に関する契約を2015年3月に締結しており、JTの製造販売承認取得後は、鳥居薬品が同配合錠を販売する。
TAFの効果
JTは同配合錠の有効成分、エルビテグラビルを創製し、ギリアド・サイエンシズ社(以下、ギリアド社)に日本を除く全世界での独占的開発・商業化を2005年に導出した。
TAFはギリアド社が創製したテノホビルの新規プロドラッグで、HIVの逆転写酵素阻害作用を示す。これまで、TDFがテノホビルのプロドラッグとして使用されているが、腎臓や骨に対する影響が懸念されていた。
TAFは、TDFの投与量の10分の1以下で同等の抗ウイルス効果を示すことが臨床試験で明らかになり、腎臓や骨への影響も軽減された。2015年11月、TAFは国内で希少疾病用医薬品に指定された。
ギリアド社は、2015年11月、米国と欧州で同配合錠の承認を取得し、製品名Genvoya(R)で販売している。現在、米国保健福祉省の「成人および青少年HIV-1感染者における抗レトロウイルス薬の使用に関するガイドライン」で、抗HIV薬の投与による治療経験のない患者への使用が推奨されている。

日本たばこ産業株式会社・鳥居薬品株式会社 プレスリリース
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