「デラマニド」供給について提携
大塚製薬株式会社は、2月25日、ストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金(GDF)との間で、新規多剤耐性結核治療薬「デラマニド」供給について官民パートナーシップ設立に合意したと発表した。
この合意は、多剤耐性結核治療に新しい選択肢が一刻も早く必要である現状を踏まえ、同社子会社であるドイツのOtsuka Novel Products GmbHが行っている。
毎年48万人が罹患している多剤耐性結核
「デラマニド」は、大塚製薬が創製した、新しい作用メカニズムを有する化合物。ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾールに分類され、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することで効果を発揮する。
多剤耐性結核は、毎年48万人が罹患している疾患。その治療成功率はわずか50%で、依然として世界的健康上の課題であり続けている。今回の官民パートナーシップは、「デラマニド」を既存の多剤耐性結核治療プログラムに適切に組み入れるための支援を実施するもの。今回の連携により、GDFから抗結核薬の供給を受けている100以上の国に対して、同剤を供給できる体制が構築されることになる。
強固なパートナーシップを構築
大塚製薬は、革新的な研究開発や協調的な治療環境整備、患者の治療へのアクセス、最適な治療管理などに取り組む活動『FighTBack Initiative』を推進しており、今回のパートナーシップはその一環にあたる。『FighTBack Initiative』では、多剤耐性結核治療で初となる小児用製剤や結核診断薬、結核患者用服薬支援ツールの開発や新規抗結核薬の創製を行う。
大塚製薬とストップ結核パートナーシップは、薬剤供給に留まらない強固なパートナーシップを構築し、教育・トレーニング・技術支援・啓発活動を通じたサポートを展開するとしている。

大塚製薬とストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金 世界でのデラマニド供給についての合意を発表 - 大塚製薬株式会社
http://www.otsuka.co.jp/company/release/