機能が衰えた細胞を置き換える
株式会社ヘリオスは、2016年2月9日、iPS細胞由来網膜色素上皮細胞を共同開発する国内パートナーの大日本住友製薬株式会社(以下、大日本住友製薬)から、再生医療に使用可能なiPS細胞マスターセルバンクを受領した。
iPS細胞を用いた再生薬品(以下、iPSC再生医薬品)は、老化などで機能が衰えた細胞を、iPS細胞の分化誘導により作製した新しい細胞に置き換えて回復を図るものである。
同社は大日本住友製薬と、網膜色素上皮細胞の老化が原因とされる加齢黄斑変性を対象にiPSC再生医薬品を開発しているが、これは同社にとって第1号のiPSC再生医薬品となる。現在、iPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞を懸濁液とするための治験準備を行っている。
iPS細胞の準備完了
同社が今回、受領したマスターセルバンクは、大日本住友製薬が2015年8月6日に京都大学iPS細胞研究所から受領した親株を培養して増殖し、小分け貯蔵したものである。
今後、同社は大日本住友製薬と共に、iPS細胞マスターセルバンクからiPS細胞を取り出し、さらに培養・増殖させてiPS細胞ワーキングセルバンクを作製する。これをもとに前臨床試験や治験に使用する網膜色素上皮細胞を作製していく。
つまり、マスターセルバンクの受領により、iPSC再生医薬品が原材料とするiPS細胞の準備が整えられたことになる。同社は受領したマスターセルバンクを凍結して保管する予定である。

株式会社ヘリオス ニュースリリース
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