膵臓癌発症モデルマウスを導入
株式会社キャンバスは、2月9日、抗癌剤候補化合物「CBP501」の薬効試験について、国立大学法人東京大学医学部附属病院との間で共同研究契約を締結したと発表した。
同化合物は、同社が創出し開発中の抗癌剤候補化合物。薬効試験は、膵臓癌発症モデルマウスを導入して実施される。
ヒト膵臓癌に近いモデルマウス
「CBP501」は、癌細胞特異的にプラチナ系抗癌剤の作用を増強することに加え、癌微小環境に作用することが最近になって判明している。
このため、従来は難治性であり最新の免疫チェックポイント抗体も無効とされている膵臓癌であっても、「CBP501」単独もしくは他の抗癌剤との併用投与によって、薬効が発揮されることが期待されるようになった。「CBP501」の、癌微小環境への作用との相加、もしくは相乗効果が期待されるためだ。
今回の共同研究では、東京大学医学部附属病院の講師が作製したヒト膵臓癌に近い膵臓癌発症モデルマウスを用い、「CBP501」単独およびその他の抗癌剤との併用による薬効を確認する。
研究目的に最も適したモデル
癌の動物実験では、ヌードマウスやSCIDマウスにヒト癌細胞を移植したヒト癌発症モデルが、一般的に用いられる。しかし、これらは免疫系が不全なマウスであり、免疫系抗癌剤の動物実験には使用できない。
今回の共同研究において導入される膵臓癌発症モデルマウスは、膵臓癌をマウスに発症させた病態モデル動物であり、免疫不全がない。今回の研究目的に最も適したモデル動物と、キャンバスはしている。
この共同研究の期間は、2016年3月1日から2017年3月31日までの予定。

東京大学との共同研究契約締結のお知らせ - 株式会社キャンバス
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