再発率の低下を目指す
東京大学医科学研究所附属病院の抗体・ワクチンセンター、神奈川県立がんセンターの呼吸器外科、国立がん研究センター東病院の呼吸器外科から成る研究グループは、2016年2月8日、がんの完全切除後に術後補助化学療法を行った非小細胞肺がんに対するがんワクチン療法の多施設共同医師主導治験を開始したと発表した。
現在、肺がんはがんによる死亡原因の1位となり、その内の約8割を非小細胞肺がんが占めている。この疾患で求められているのは、完全切除後に術後補助化学療法を行った場合の再発率を低下させる治療法の開発であり、今回の治験はそのためのものである。
医師主導で行う
がんワクチンは複数の抗原を由来とするペプチドを含んでいると効果が現れる患者の層が広がるため、今回、肺がん細胞に頻発する複数の抗原を標的としたがんワクチンが用いられている。
がんワクチンの皮下投与を2015年度~2017年度に3機関で60例に対して実施する予定である。医師自身が企画・立案して実施する医師主導治験で行い、投与量の安全性を確認した第1相試験に続き、このたびの第2相試験では治験薬の有効性、安全性を調べる。

東京大学医科学研究所附属病院 プレスリリース
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/files/160208.pdf