先駆け審査指定制度の指定を受けた治療剤
日本新薬は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)治療剤であるNS-065の第I/II相 臨床試験について、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届書を提出したことを発表した。また、同剤は2015年10月に厚生労働省から先駆け審査指定制度の指定を受けている。
NS-065
NS-065はモルフォリノ化合物で合成されたアンチセンス核酸と呼ばれる核酸医薬品で、日本で最初の国産品となる。日本新薬と国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターが共同研究によりみいだされた。同剤は、ジストロフィン遺伝子の一部の遺伝情報を読み飛ばすことで、筋機能の改善が期待されている。
エクソン・スキップ治療
「エクソン・スキップ治療」は、アンチセンス核酸と呼ばれる短い合成核酸を用いて、遺伝子のメッセンジャーRNAの中で、タンパク質に翻訳される領域(エクソン)の一部を人為的にスキップ(除外)することで、アミノ酸読み取り枠のずれを修正する治療法。
正常なジストロフィンタンパク質と比較すると、その一部が短縮されているが、機能を保持したジストロフィンタンパク質が発現し、筋機能の改善が期待されている。この治療の対象となるエクソンは、患者の変異形式によって異なり、NS-065は、エクソン53をターゲットとした薬剤となっている。

日本新薬 ニュースリリース
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