負担の大きい造血幹細胞の採取
サノフィ株式会社は、2016年1月27日、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫等の血液がん治療後に自家末梢血幹細胞移植を行うため、造血幹細胞を骨髄から末梢血へ循環させる動員促進薬「プレリキサホル」の製造販売承認を厚生労働省に申請した。
日本で実施される自家移植は年間約1,500~1,700件に及ぶ。末梢血から造血幹細胞を採取する際に、造血幹細胞を十分に収集できずに移植が行えないケースがある。造血幹細胞の採取自体、1日に数時間を要するなど患者への負担が大きい。
医療上の必要性が高い薬剤
「プレリキサホル」は、造血幹細胞の末梢血中への動員促進薬として開発中で、造血幹細胞採取の回数を減らし、採取率を向上させると考えられている。
医療上の必要性の高い薬剤と「プレリキサホル」が評価されたことで、2009年6月、同社は厚生労働省から開発を要請された。2015年12月には、希少疾病用医薬品の指定を受けている。海外では、米国で2008年に承認された他、欧州、アジア諸国など50カ国以上が同剤を承認している。
今後、この薬剤が造血幹細胞採取の質と効率性を上げ、自家移植の可能性を広げていくことが期待される。

サノフィ株式会社 プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp